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Cotents of Winugoya (http://winusama.hp.infoseek.co.jp)
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 はい…仕事ネタ…。
 コレで何例目でしょう…ホントに「見る目・聞く耳・伝える口」の欠除には頭が痛い…それでも医療職か?!

 ホントにねぇ…「患者を見てない」…。どうしてこんな状態に気付かないの? はい,日頃接してる看護師にリハ士,担当してる主治医。
 ホントにねぇ…「他のスタッフや患者の話を聞いてない」…。どうしてよそからの情報や患者の訴えを聞いてないの? はい,日頃接してる看護師に,担当している主治医。
 ホントにねぇ…「聞いた話を伝えてない」…。どうして「こんなんなってますけど」と言う他のスタッフや患者の訴えを主治医に伝えてないの? はい,日頃接してる看護師。

 えっと…正直…脅しじゃなくて…死にかねませんよ? 早く手を打たないと…。と言うか…もっと早くに気付けば…。
 と言うわけで…ネタとしては「下肢静脈血栓症」です。
 足の静脈に血栓が出来てしまい,まぁ腫れてくるわけで。んで,これがふとした拍子で飛んでって肺の血管に至ると,肺塞栓になりますから。呼吸困難で死にかねませんよ,侮れません。
 長期臥床が確かにリスクが高いですが,長期坐位も同様。当たり前に麻痺があればそれもリスク。年齢とかは関係ないです。最悪は突然死ですよ。
 でも…サインはあるんですよ。下肢の腫張や疼痛。はい,見りゃ分かります。はい,話を聞けば分かります。

 んで…最悪のケース…「見舞いに来た家族が片足だけ腫れてるのが気になった」ってのがきっかけで検査に至って見つかった例がありました。家族が足の腫れに気付く? 看護師やリハ士や主治医は何を見てたの? ご飯が食べれてお通じが良くて着々とリハビリが進んで熱もなく薬もちゃんと飲んで…だけですか? 一応…全身管理しません? 麻痺があるなら麻痺側に注意を払いません? リハ士は何を見てたの? 回復する姿だけ? 体調とか体の様子は見ないの? …んで…気付いたのが見舞いに来た家族…_| ̄|◯

 はい…今日の方…。
 心臓のエコーに来ました。若めの方ですが,心臓の手術をして抗凝固療法で脳出血になってしまった方です。麻痺があるので検査が終わって車いすに戻ってもらう時に,麻痺のある左足が対側の1.5倍くらいに腫れてます。
 「あれ…ずいぶん腫れてますねぇ?」
 「そうなんです,左足がパンパンでね。心臓どうですか? 心臓と関係とかありますか?」
 「ないワケじゃないですけど,足が腫れるほどの心臓ではないですよ。腫れてくるのは色々原因がありますから,調べてみるのが良いですね,足の血管とか。担当の看護士とか先生に話してみて下さいね。ウチからも主治医の先生にお話ししておきますね」
と…エコーを終えて帰ってもらったは良いけど…。
 直後に,この方の心電図を録った技師がやってきました。
 「若いのに心臓色々あるみたいなのよね,どうだった?」
 「心臓はそれなりですよ,悪いってほどじゃないですね。年齢を考慮すると考える部分もありますけど。そうそう,足の腫れがスゴかったです」
 「え?! 前に話したと思うけど…心電図録った時にかなり腫れてるから看護士に話したのに…。そう言えば足の検査出てないよねぇ?」
 ダメだ…看護師・主治医・リハ士…見てないよ…伝わってもないよ…。
 「触った感じ,ただの浮腫とも違う感じがしますね。ちょっと足は調べた方がいい気がします」
…って…ヤバいって…たぶん…アタリだとしたら結構な状態なハズ。
 「看護士にや主治医に話して…」は通じないって…。
 と言うわけで,直接主治医に報告。と言うか…検査依頼請求。
 「~なので…下肢の検査が必須だと思います。いらいだして下さい」
と…。
 はい…大当たり…。と言うか…最強? マジでスゴいことになってた…上から下まででした。あれは放っておいたら絶対にヤバい。ましてお若いのに…。心臓+脳+血管+肺? 場合によっては…? 不遇だ,不遇すぎる…。
 さて…ここからも問題が…。この辺りに疎い先生ならどうするんでしょう…。既往歴と状態を考慮してちゃんと思いつくんでしょうか?
 血栓を溶かしましょう→抗凝固療法…いやいやいや…脳出血だし…抗凝固療法で出血起こしてるし…。さじ加減はどうする?
 そして…掴まれれば立てるし車椅子とベッドの移動は簡単に出来る方です…片麻痺ですけど。
 んで…実は…術後とか脳出血後の臥床中の頃には平気で…車椅子に載るようになってからだそうです。と言うことは…麻痺かつ長期の同じ姿勢…も考えますが…左足なので特有の解剖学的な原因が考えられます。って…そこまで知られてるかしら?
 今回の例は…ちょっと難しいです…。元気なのに…かなりシビアで…薬は副作用のリスクが高く慎重さが必要で…単純な麻痺だけの問題じゃなく…。
 聞いた話では外科治療が有効な例の可能性があるらしいですが…。さぁ…どうする?

 でも…そもそも…心電図の時に気付いたのは…何週間前だ?
 もっと早く気付いていれば…さじ加減に注意して薬でいけなくもなかったかも…。

 そして…悟りました…何度目かですから。
 ここには「見る目」「聞く耳」「伝える口」は存在しないことを。
 そして…固く誓いました。
 依頼された検査項目だけでない範囲も含めて患者の話を聞くことと,自分の目で観察すること。そして「伝えてもらう」ではなく「伝えて依頼する」と言うくらいの姿勢でやっていくことを…。
 ここは…良くも悪くも日本ではないんだ…アメリカなんだ。
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1975/12/20
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恋の下手な恋愛内科医
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▼ 横浜在住,34歳。職業は炎の妄想族 兼 恋のヘタな恋愛内科所属。ほかプロフ参照。よろしくです。
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