【03/27(Thu)】 桜咲く…桜散る…

★ 本日の在宅カルテ
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　この前の週末に咲き始めた桜。今日あたりは，まだつぼみも残りつつもだいぶ咲いてきた。
　勤務先の敷地内には桜並木があってキレイです。もう少し咲いたらもっとキレイなんだろうけど，この週末は雨になるから散るかな…。

　桜散った…。
　仕事の合間に上司が手招きをして耳打ちしてきた。
　「う～ん…異動の話なんだけど…ないようだ…」
　少し期待をしていた自分の異動は叶わなかった。
　「まぁ，まず1年願張って，それでもツラければまた異動希望を出せばいい。繰り返せば意志は汲んでくれるかも知れないから」
　そんなフォローももらったけど…。
　時々…仕事をしていて楽しい時がある。そんな時「異動してしまったらどうなるのかな…」と思うこともあった。仕事の中味自体は好きなんだ。患者というか人が好きで，患者が病を克服するための手だてを見つけて，患者が元気になっていく姿を追えるのが嬉しいと思ってる。
　その昔，独身寮に住んでる頃に寮の前で患者親子(母が患者で車椅子で娘と散歩)に会ったことがあった。
　初めて今の病院で検査をした患者で，しばらく入院していて，退院後も何度か検査している。
　「あの時はどうも。いつもどうも」
と笑顔で挨拶されたのを覚えている。なんだか照れくさいものの，車椅子ながら散歩できるくらいになった姿にうれしさを覚えた。あれから自分が引っ越してしまったけど。

　上司の問題，特に主任との関わりは「他人事」と思うこと。
　異動できなかったことは「まだこの仕事を続けなさい，あなたの仕事です」と言う暗示であること。
　そう思うことで乗り越えていくしかないね。
　不安定や不隠や衝動は続くとは思うけど，それをいつも頭に入れておくしかない。

　そんな中で…久しぶりの術中検査。
　あの名医のいた頃は当たり前のように入っていたけど，症例を重ねてやっと認定医の資格を得た今の医師になって初めて入る。
　今，何をやっているのか分からない。
　それは昔も苦労して把握したことだけど，まったく執刀医が口を開かない。補助につく医師が少ないのもあるかも知れないけれど，周りで関わる臨床工学技師・放射線技師・看護師とも言葉のやり取りがない。
　ただ淡々と進んでいる。看護師ですら状況を把握できず，見てみると術中記録も昔に比べるとあっさりしてる…それだけ事態が把握しにくいんだ。
　あらゆる職種のスタッフがチームになって治療を行うのにコミュニケーションがないことに愕然とした。
　こちらのモニターの経過を報告してもそれほど反応がない。とにかく進めていくだけ。
　あらゆるスタッフとコミュニケーションをとりつつ，あらゆる情報を得て判断していた名医の姿を知っているだけに落胆した。
　何のために入ってるのかよく分からないくらいだった。