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Cotents of Winugoya (http://winusama.hp.infoseek.co.jp)
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 これならさすがに分かっちゃうよなぁ…察してしまわれたので打ち明けたけど…。

 さて…打ち明けたのは「これ」が本題ではなくて…今の状態を上司に…。
 午後から不在になる上司を,ウチも仕事に追われながらも,なんとか昼前に捕まえた。
 「折り入ってご相談があります。とりあえず漠然とした思いであり,言いにくいことなので,回りくどくなってしまいますが,お察しの上で聞いて頂けませんか?」
と声をかけた。
 「あの…今から"意向調査票の内容を翻す"とか"身の上の手続きをすれば人事上の問題はない"とか,どうですか?」
 「つまり…異動か退職をしたい,と言うことか?」
 「はい…。正直…このまま続けていく自信はなく意欲もないです。責任と義務だけで今はやっています」
 「○○(同僚君)が原因か? この所のやり取りとか聞いてると,確かに言い回しがキツいから注意しようと思ってたけど…」
 「まぁ,確かに彼もキツいです。でも,なんとか彼とは折り合いを付けましたが,それ以上に○○さん(主任)が…」
 「あぁ…確かに…。どうもみんな,キツい言い方だし,それでいて全部任せて責任を負わせてる感じが最近はしてきてる。でも,最近になって気付いてきて…ちょっと遅かった…申し訳ない…」
 困った顔をしつつも,少し悲しげな顔で上司が頭を下げた。
 「でもな,色々確かに,体調の自己管理とかでは色々言ってきたけど,仕事そのものに関しては良くやったと思ってる。お前の働きがなくてここまでまともなシステムができただろうか? ほとんどお前がいたからこそできたもので,その分大変な思いもしただろうけど,だからこそ,今年の中で一番重要な働きをしたと思ってる。ホントはそこに自信を持って欲しいし,誇りに思ってもらっても良い。とにかくよく頑張ったのだけは認めてる」
 "組織に一番都合よく働いた"と言う気もしないでもないけど,ここまでのことが言えただけ,上司としてはまともなのかもしれない(今までがおかしすぎたけど…)。
 それでも,ここまで言ってもらえて,「遅すぎた…申し訳ない」と頭も下げてくれて,高ぶっていた感情が少し落ち着いた。「ダメ人間ながらもそれなりには認知されていたんだ…」と…。
 「あのさ…その腕…もしかして…傷つけてるのか?」
 う~ん…分かるよなぁ…。"今さらリストバンドを付け始める"なんてわざとらしいし,"手首を痛めた"と言うことで包帯のままにしていたけど…。"手首を痛めた"と言うのは間違ってはいないし…。
 「はい…ありがちな…あれです…傷つけてます…」
 「ふぅ…。もっと早く気付いてやればなぁ…。正直,そう言うのは理解できないけど,そこまでツラいのは分かる。何とか自分を傷つけるようなことはしないで欲しい。自分を大切にして欲しい,自信を持って良いのだから」
 "メンタル系の分からない健常な上司"としては,適切な言葉のかけ方じゃないだろうか…。ここまでのことが言えた上司をありがたいを思った。
 「ありがとうございます。そこまでの言葉を頂けたので少し気持ちは落ち着きました。自分も手一杯で,だからこそサインも出さず,相談もしなかったんです,"まだ大丈夫"って思ってました。だから"最近になって気付いてきた"と言うのは仕方のないことです」
 「とりあえず,今日お前から話を聞いたことはオレの中にしまっておくから,それとなく機会を見つけたら注意するから。だから今までのことに自信は持って良いし,また相談してきてくれ。それで…ホントに…異動とか退職で良いのか?」
 「色々言って頂いたので少し落ち着いてしまいました。でもやっぱり自信は持てないです。ただ,冷静に考えることはできそうです」
 「そうか…。とりあえずもう人事の締め切りは過ぎてるけど"どうしても"となれば上には通す。あまりにツラいなら短い期間だけど考えて結論を出して欲しい。少し落ち着いて考えて欲しい」

 なんとなく…「今を過ぎたら楽になるか?」と感じてしまった。
 まぁ,異動や退職することに大きな不安があることは確かだし…。

 しかしながら…やっと落ち着いた感情は見事に打ち破られた…。
 今日一日の主任の振る舞いはあまりにもヒドすぎた。
 上司に相談する前の午前中の段階から,その酷さは言葉を失うほど。

 むしろ今日は同僚君ですら言葉を失うほど…。あまりの状況に同僚君ですら"優しいヤツ"と思ってしまったくらい…。
 まぁ,今思えば,同僚君は何とかなるような気がしてる。
 同い年なので優劣なんてないし,互いに得意不得意があって,それなりにやってきたと言えばやってきた。彼にも優れてる部分がないわけでもないし…確かに粗暴で気の利かないことが多いけど…。
 だから,今となっては「気の利かないバカ」としか思わないわけで,「ホントに困る時はなんとか主張する」と言うことでそれなりにやってくれることが,最近になって分かったので…。
 それと…これだけ主任の酷さの前に連帯感を感じてる…。

 今日の主任の酷さは,身内と言うよりも,他人を考えてもヒドすぎた。
 今日は健診(ドック)もある日で,ちょうどドック受診者が検査室に入った時だった。
 そのタイミングで,大至急のエコーの依頼の電話が入った。
 さて…どうするか…ドックの人には待って頂くか…。
 「今はドックは後回し。急患を先にやって。そういうもんだからっ!」
 全員が唖然とした…。
 理論は間違ってない…そういう対応も考えていた。んが…ドック受診者がいる空間でその言葉を選ぶか?
 「ちょ…今の…受診者がいる場で使う言葉か? いくら何でもクレームモノだ」
 「え…さすがにその言い回しはマズいんでない?」
 居合わせたスタッフ同士でひそひそ…。ドック受診者の担当は自分だったので,この場を取り繕うのは自分しかいない…。
 「申し訳ございません。急患が出まして…そちらの検査を至急に行わせて頂きたいので,しばらくお待ち願えませんでしょうか?」
 顔色も変えずうなずいて待合室に戻っていく受診者。
 事情は察してくれたかも知れないけど,言葉の選び方にはムッとしたかも知れない。
 急患の検査が終わって,ようやくドック受診者を迎える。
 とにかく低姿勢でいるしかないし,周りにいるだけのスタッフも「お待たせしてスミマセンでした」と頭を下げている。んが…この状況を主任は飲み込めていない。
 その後も,午後になってから,いちいち同僚君ももう一人の人も噛み付かれてつつかれてる。
 急患の検査の依頼があった時には,他の人は検査や未報告の報告書を抱えていたので自分がやるつもりではいたのに,何も言ってないのに,
 「私は報告書が溜まっているから。別にあなたが全部やらなくても良いけど」
 じゃぁ言うなよ。って言うか…「お願いします」とか頼んだりしてもないし自分でやるつもりだったし…。
 自分の報告書も残ってるけど雑務も片付けているもう一人の人には,
 「自分の溜まってる報告書をまず片付けたら? 他の人でもできるでしょ?」
 同僚君にも,
 「何かやることがあるんじゃない?」
とか…。
 たまたま…主任が席を外して3人になった時に…一斉にみんながため息をついた…全員が同じ受け止め方をしてたんだ…やっぱり…。
 「ん~…今日はどうしたのかねぇ…」
 「なんであんなに一人でキリキリしてるんだ? おかしいよ」
 そのあともとにかくヒドくて,食い違いも甚だしくて,みんなが凍り付いていた…。
 上司から「確認と打ち合わせをしておいて欲しい」と言う内容について「夕方に話をしてきます」と言えば「何を話すの? どうするの?」と…。
 ちなみにその件は,元々は業者から出た話で,昨日の段階で主任にも確認して「検査室としては問題はないので上司の判断で…」と言うことになっていたのに,今さらになって「あれは?」「これは?」「なんで?」「いいの?」と言う…。
 「じゃぁ,それも含めて話してきますね」
と言えば,
 「いいわ,別に。私には上司は何も指示してないから。私の話はしなくて良い。そのまま話してきて」
 じゃぁ言うなよ,聞くなよ。
 それでいて,話をして戻ってくれば,
 「どう話したの? それでいいの? いいなら良いけど…」
 じゃぁ…どうしろと…。
 一連の流れを見ていた二人もさすがに凍り付いていた。
 「もうさ,良いよ。昨日のうちに確認もしたし,俺も問題ないと思ってるし,今日も"別に良い"って言ったんだから。そのまま進めて良いじゃん。あとは上司に託しておけばいいよ」
 「とりあえずいいんじゃないの? "ウチの上司にも再確認して下さい"って言ってきたんでしょ? それで問題ないよ」
 その後も,とにかく,「それは聞いてない」「○○だと思ってた」とか…色んな件についてブツブツ…。
 「それは聞いてない」「○○だと思ってた」って…ウチらも主任がどう言う想定をしていたか聞いてない。
 こじれそうだったので,
 「その件は誰が責任者とか窓口とか言うものでもないから,個々に想定していたことだし,そう言う話し合いをする余裕もなかったのは事実だから,今度,それなりの話が降りてきた時にみんなで検討すればいいと思います」
と結んでしまった。これ以上のブツブツは聞きたくない。

 「もう少し頑張ってみようか」…そう思った。
 でも…「もう無理だ」と思った。
 「この人と働いていけない」と思った。
 どれだけ自分の働きに自信を持てたとしても,どれだけ評価されても,日常業務をこの人と共にやっていくのは無理があると感じた。
 「一日中振り回されっぱなし…」という同僚君の言葉もうなずける。
 振り回されっぱなしの日常には限界を感じた。

 同僚君もさすがにツラいのだろうか…。
 「あぁ,お前,金曜日は通院日なのかぁ…。じゃぁさぁ,明日,一緒に飯食いに行こうよ」
と誘ってきた。
 互いに相手の話も聞かずに愚痴をこぼし合うんだと思う…。
 でも,その時に,彼にも打ち明けようと思う。
 「ウチはもうこのまま個々で続けてはいけない」と…。
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ゐぬ様
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1975/12/20
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恋の下手な恋愛内科医
自己紹介:
▼ 横浜在住,34歳。職業は炎の妄想族 兼 恋のヘタな恋愛内科所属。ほかプロフ参照。よろしくです。
▼ メンヘル患者,職場しがみつき,日々忍耐系
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