
定食屋ですか…んなワケない。
始めたのは「おでん」でも「おなべ」でもない…。
ずっとうずきつつこらえていたこと。
どうにもならないくらいの状態で,でも,ある意味どうにもならない状態だから踏みとどまれて…。
今日は車の点検があり,講習会の準備を職場でやろうと外出したので,ついぞ用意ができてしまった。あとは「心のブレーキ」がはずれるかどうかで…。
ブレーキは…簡単にはずれた…。
「外出して買い物できた」ではなかった…。単純なことに気付いただけ。
職場で一人作業をしてる…職場には自分だけ…それなら…。
要は「消毒」が手に入らないだけで,職場には「消毒」はゴロゴロしてる。それを少し頂くだけの話だった。
アルコール綿のパックを頂いて帰った。
気力もないし作業があるので,ご飯は吉野家。そして普通に買い物をして,シャワーを浴びて,着替えて…。
ためらう時間なんて少しもなかった。当たり前のような流れで始めてしまった。
「できるだけ深く1本」…前の時はそんな感じだった。
「浅くてもとにかく…」…今回はそんな感じだった。
スーッと冷たい鋼が左手首を滑っていく…滑るように軽く…。なんだかあまりにも滑らかで軽いもんで,同じコトを何度か繰り返してみた。
少し痛い…それ以上に…何か解き放たれる感覚…自分を感じる感覚…説明がしにくい…。
鋼が滑った跡が少し赤くなったかと思うと,もっと鮮やかな赤がジワーッとにじみ始めた。
1本…また1本…鋼を滑らせるたびに「赤のにじみ」が増えて…「線」が「面」になる。
なぜだろう…涙が出て来た…痛いからじゃなくて…。
理由の分からない涙が頬を伝っていた…。
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