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Cotents of Winugoya (http://winusama.hp.infoseek.co.jp)
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★ 本日の在宅カルテ
  → http://winukarte.blog.shinobi.jp/Entry/296/

★ 本日のまっそん生活記「おかえり」
  → http://winumasson.blog.shinobi.jp/Entry/153/

 「病院」は「病気の人」「病気の疑いのある人」が来る場所である。「検査」をして「結果」を見て「判断」をする。必要があれば「治療」が始まる。
 「病気」にも程度がある。それ故に,転帰として「生」を保って去る患者もいれば,「死」に至って去る患者もいる。

 今日,ICUの若い子が昼前に亡くなった。
 元々は外来フォローでずっと通院していたのだが,症状は一進一退を繰り返し,時に重症状態に陥ってしまったり,入退院を繰り返して,最近になって再度入院してICU入室となった。
 もう外来の頃から長いこと経過を追っている。自分も何度も検査をしている。終夜の検査もした。
 症状の悪化に加え,合併症を発症し,死に至ってしまった。
 状態の良い時は,屈託のない笑顔があり,愛嬌もあり,ささやかな華のある子だった。
 状態の悪い時は鎮静をかけて呼吸管理までもしなければならないくらいの状態だった。
 そんなことを繰り返していた。それでも健気に検査を受け,治療を受け,一進一退を繰り返していた。
 あまりにツラい時には「死んだ方がマシ」とまで考えたりもしたそうだ。
 確かにそのくらいツラい気持ちはくみ取れた。見ていて自分も胸を痛めるくらいの状態だった。
 最後の方は食も進まず,「生きている状態に苦痛を感じてる」と言う状態でもあったようだ。だから「体」が「死」への反応を示していったのかも知れない。
 「若い」「老いてる」と区別をするのはおかしなコトではあるが,やはり「若い命」が尽きてしまうのは胸が痛む。
 「死」の知らせを聞いた時から気が抜けてしまった。色々考えた。
 治療や処置は妥当だったのか? と言う疑問も感じたりした。

 「病院」である以上,「死」はどこかで必ずや訪れる。
 でも「まさか…」と言う思いだった。今の悪い状態が寛解して,時に笑顔が見れると思っていた。

 「生」が「苦」になろうと,「生」を保つのが「病院」だ。そしていつか元気に病院を去ってもらうのが我々の仕事だ。

 ここで主任の話になるわけで…。
 「気が抜けた」「テンションが上がらない」とウチと同僚君は口にした。
 主任は「そんなに思い入れがあるの?」とあっさりと口にした。あまり関わってないから言えたことかも知れないが,そうも簡単に「死」に対して物事を言えてしまうものなのだろうか…。
 そして,こう言う患者がいるから,一昨日の日記のように大事な仕事もあるわけだが…。

 閑話休題。
 どうにもできなかった実情を残念に思う。自分が役立てたかどうかも考えてしまう。
 ○○ちゃんへ。
 まだやりたいことがあったろう。あまりに短かったろう。苦しかったろう。でも楽にはなったんだよね,きっと。
 あなたの検査を通じて学んだこともあった,ありがとう。
 天界に行ったら,また屈託のない笑顔でやすらかに過ごしておくれ。
 我々は,次の患者を救うために頑張るよ。

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ゐぬ様
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1975/12/20
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恋の下手な恋愛内科医
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▼ 横浜在住,34歳。職業は炎の妄想族 兼 恋のヘタな恋愛内科所属。ほかプロフ参照。よろしくです。
▼ メンヘル患者,職場しがみつき,日々忍耐系
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