★ 本日の在宅カルテ
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今日は仕事から帰ってから,中距離ドライブに出掛けた。そんな中で感じた「CVT」の主観的優位性を語る。
車のミッションには,広義には「MT」と「AT」があるが,「AT」を狭義で分類すると「AT(ATx)」と「CVT」に分類される。
現在の市販車自家乗用車のほとんどは広義の「AT」のみのラインナップで「MT」の設定がない車種が多い。
ウチの車はZ11の初期型キューブで,「CR14DE(1,400cc)エンジン」を搭載し,ミッションには「4AT」と「CVT-M6」のラインナップがある。
同時期に販売されていたマーチも「CR14DEエンジン」を搭載し,「4AT」と「5MT」の設定がある。
代車で「CR14DEエンジン」を搭載したマーチを乗ったことがあるので,それも対比して述べる。
マーチの「4AT」を運転した時の感覚は,「1st→2nd」への変速タイミングが遅く,かなり回転が上がってから2ndに入る。これがまた変速ショックをかなり大きく感じるし,発進から巡航までの間のエンジン回転数が上がり,エンジンが唸っている。これは非常に気持ち悪い。
「4AT」では「ODスイッチ」によって,「3rd止まり」か「4thまで」の変速が制御される。
軽いエンジンブレーキをかけるには「ODスイッチ」を使うが,あまり減速効果は感じられない。しかしいきなり2ndに落とすと結構キツいエンブレがかかってしまってガツンと来る。
アップダウンやカーブの多いコースでは,「OD on」だと頻繁に3rdと4thの変速が行われ,スムースではないので「OD off」として運転するとまぁまぁスムーズには走れる。
他車種でのATxでは「1st→2nd」の変速はもう少しスムーズには感じたが…。
「CVT」の優位性としては,無段変速なのでそもそも変速ショックはない。そして「一番効率の良い変速比の状態を維持できる」と言う点があり,発進から巡航までスムーズな変速と,最適なギア比の選択がされるので,トルクを上手に使うことができる。
一部では「CVTはアクセルオフ時に空走(惰行)が生じる」,「エンジンブレーキがかかりにくい」との記述があるが,ウチのキューブで運転している限りは,そう言った現象はなく,「アクセルオフで徐々に減速」,「ATxよりエンジンブレーキがかかりやすい」と言う感覚がある。
これはキューブにおけるCVTと4ATの最終減速比を比較すれば歴然で,CVTでは5.473,4ATでは4.072と,CVTの方が減速比が大きい。
加えて,定速巡航・高速巡航においては,CVTの方が低回転で運転できる。これはCVTの最小ギア比が0.472,4ATの4thでは0.697と,CVTの方がギア比は小さいことから分かる。
つまりはCVTの方がワイドレシオであり,エンジンブレーキの性能と,定速巡航・高速巡航での低回転化に寄与しているのである。
要するに,素直に「アクセルのオン・オフだけで,加速・減速が自然に行われる」と言うこと。きわめて自然な感覚である。「減速のためにブレーキに頼る」のではなく,「アクセルワークだけで車速をコントロールできる」のである。「踏めば走る,抜けば落ちる」と言う自然な前の感覚である。
これは「トルコン」の設定の差かも知れないが,Z11キューブのCVTでは微速でのコントロールが容易な点も優位と感じる。
Z10キューブ初期型では,「N-CVT」と言うCVTが採用されており,クラッチ機構として,「トルコン」は搭載されておらず,「電磁クラッチ」が搭載されいる。電磁クラッチではATxに見られる「クリープ現象」がないので,いわゆる「ノークラッチ車」に自動変速を組み合わせたようなものである。つまり「D・R・Lレンジ」では車は動かず,登坂での停車状態でブレーキを解除すると車両は後退してしまう。
後に「Hyper CVT」が搭載され,Z11では「エクストロニックCVT」が搭載され,これにはトルコンがクラッチ機構として搭載されているので,クリープ現象は発生し,「D・R・Lレンジ」では微速で動き,登坂停車時(急坂を除く)にブレーキを解除しても車両は後退しない。
さて,このトルコンだが,非常に自分にとってはフィーリングの良い設定になっていると感じている。
渋滞の微速において,わずかに速度変化があるような場合にも,先のエンブレとの関連もあり,アクセルワークだけで渋滞路をうまく微速の中で速度コントロールができる。ブレーキを踏むのは停止したい時だけで済むのである。
総合的に見て,CVTには「微速時のコントロール性」,「定速・高速巡航時の低回転化」と言う利点があると感じている。
更に,ウチのキューブは「CVT-M6」と言う,CVT機構による自動変速に加え,スイッチ切り替えで6速マニュアルモードを使うことができる。
「スポーツモード」と言うスイッチがあり,変速比を若干高めるスイッチがあるが,これは軽いエンジンブレーキと,登坂での速度維持・登坂性能に寄与する。
だが,カーブの多いコースや,アップダウンの多いコースでは,スポーツモードを併用しても,自動変速のみではやはりアクセルの強い踏み込みや,ブレーキングが必要になってくる。
マニュアルモードを使えば,よりきめ細やかにアクセルワークだけで車速をコントロールできる。また,スキーに行く時の雪道などは3rd・4thあたりで固定して走る方が安定して走ることができる。
残念ながら,Z11キューブではM6モードは初期型のみの搭載で,中期型以降では廃止されてしまっている。
奇しくも,他社ではDレンジに加えてマニュアルモードを搭載し始めた時期に,日産ではマニュアルモードが廃止されていってしまっている。非常に残念なことだ。
まぁ,そう言うわけで,大切に乗っていきたいと思う。
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